はじめに
水中のシリカは、イオン状シリカ(イオン状ケイ酸)、溶存状シリカ、コロイド状シリカ、並びに全シリカに分類され、いずれも酸化ケイ素(SiO2)として表記されます。
JIS K 0102では、七モリブデン酸六アンモニウムと反応してヘテロポリ化合物を生成するシリカをイオン状シリカといいます。イオン状シリカは、モリブデン黄吸光光度分析法またはモリブデン青吸光光度分析法によって定量します。

モリブデン黄吸光光度分析法
試料に含まれているイオン状シリカが七モリブデン酸六アンモニウムと反応して生成する黄色のヘテロポリ化合物を波長410 nmで測定して定量します。
<試薬>
- 純水(JIS K 0557に規定するA3以上の水)
- 塩酸(220 g/L)
- モリブデン酸アンモニウム溶液(100 g/L)
(モリブデン(Ⅵ)酸アンモニウム四水和物21.2 gを純水に溶かして200 mLとする。) - シュウ酸溶液
(シュウ酸二水和物20 gを純水に溶かして200 mLとする。)
<器具・装置>
- 吸光光度計
- 吸収セル10 mm(ガラス製または石英ガラス製)
<操作手順>
- ①試料の適量(SiO2として0.1~1 mg/Lを含む)を有栓形メスシリンダー50 mLに取り、純水を50 mLの標線まで加えます。(試料にSSがある場合はろ紙5Cでろ過して得られるろ液を使用します。)
- ②塩酸(220 g/L)1 mLとモリブデン酸アンモニウム溶液(100 g/L)2 mLを加えて振り混ぜ、5分間静置します。(試料が中性の場合はこの時のpHは1.1~1.6になります。)
- ③シュウ酸溶液1.5 mLを加えて振り混ぜ、1分間静置します。(静置時間が長くなるとヘテロポリ化合物の黄色が分解されるので、静置時間を正確に守ります。りん酸イオンが共存しない場合は、シュウ酸溶液は添加しません。)
- ④直ちに溶液の一部を吸収セルに移し、波長410 nmの吸光度を測定します。
- ⑤空試験として、純水50 mLについて①~④の操作を行って吸光度を測定し、試料について得た吸光度を補正します。
- ⑥あらかじめ作成した検量線より、シリカ濃度を算出します。
モリブデン青吸光光度分析法
試料に含まれているイオン状シリカが七モリブデン酸六アンモニウムと反応して生成する黄色のヘテロポリ化合物をL(+)アスコルビン酸溶液で還元し、モリブデン青に変え波長815 nmで測定して定量します。
<試薬>
- 純水(JIS K 0557に規定するA3以上の水)
- 塩酸(220 g/L)
- モリブデン酸アンモニウム溶液(100 g/L)
(モリブデン(Ⅵ)酸アンモニウム四水和物21.2 gを純水に溶かして200 mLとする。) - シュウ酸溶液
(シュウ酸二水和物20 gを純水に溶かして200 mLとする。) - L(+)アスコルビン酸溶液(100 g/L)
<器具・装置>
- 吸光光度計
- 吸収セル10 mm(ガラス製または石英ガラス製)
<操作手順>
- ①試料の適量(SiO2として10~100 µg/Lを含む)を有栓形メスシリンダー50 mLに取り、純水を50 mLの標線まで加えます。(試料にSSがある場合はろ紙5Cでろ過して得られるろ液を使用します。)
- ②塩酸(220 g/L)1 mLとモリブデン酸アンモニウム溶液(100 g/L)2 mLを加えて振り混ぜ、5分間静置します。(試料が中性の場合はこの時のpHは1.1~1.6になります。)
- ③シュウ酸溶液1.5 mLを加えて振り混ぜ、1分間静置します。(静置時間が長くなるとヘテロポリ化合物の黄色が分解されるので、静置時間を正確に守ります。りん酸イオンが共存しない場合は、シュウ酸溶液は添加しません。)
- ④L(+)アスコルビン酸溶液(100 g/L)1 mLを加えて振り混ぜ、約10分間静置します。
- ⑤直ちに溶液の一部を吸収セルに移し、波長815 nmの吸光度を測定します。
- ⑥空試験として、純水50 mLについて①~⑤の操作を行って吸光度を測定し、試料について得た吸光度を補正します。
- ⑦あらかじめ作成した検量線より、シリカ濃度を算出します。
<計算式>
| C1: | 吸光光度計で測定した値 [mg/50 mL] |
|---|---|
| C2: | 吸光光度計で測定した値 [×10-3 mg/50 mL] |
| V: | 使用した試料の量 [mL] |

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試料中のシリカ濃度が低くてモリブデン黄吸光光度分析法で測定できない場合にモリブデン青吸光光度分析法で測定するんだよ。