はじめに
生物学的処理技術は、自然界の微生物が有機物を分解し、無害な成分に変えるプロセスを利用したものです。主に排水中の溶解性有機物を微生物によって分解し、水質を改善するために用いられます。特にBOD、窒素、リンの規制値をクリアするのに有効な手段として広く採用されています。
排水処理に関与する微生物が酸素を利用するか否かによって、好気性処理と嫌気性処理に分けられます。
好気性処理…酸素を利用する
嫌気性処理…酸素を利用しない

次に好気性処理と嫌気性処理について紹介するよ!
好気性処理
活性汚泥法
活性汚泥法は、好気性処理の中で代表的な処理手法であり、下水や工場排水などの有機物を含む水質の浄化に使用されます。1910年代に下水処理技術として開発され、1950年代までに有機性工場排水処理にも適用されるようになりました。この方法では、好気性微生物や有機・無機性の浮遊物質などから成るフロック(活性汚泥)を利用して処理対象水を浄化します。
図に示す曝気槽の中で、活性汚泥が排水中の有機物を吸着し、酸化分解します。
その後、フロックは沈降分離され、清澄水は(殺菌処理され)放流されます。


工場排水は、まずスクリーンでろ過された後、流量調整槽で流量を一定にするよ。その後pH中和槽で微生物が生きやすい中性に調整するんだ。最後に曝気槽で微生物と反応させて有機物を分解し、沈殿槽で増えた微生物を分離するよ。
MBR:Membrane Bio Reactor法(膜分離活性汚泥法)
MBR法は、膜ろ過を用いた活性汚泥法の発展形です。
従来の活性汚泥法と比較して、沈殿槽や汚泥濃縮槽が不要で、コンパクトな設備で高品質な処理水を得られる点が特長です。
以下に膜分離活性汚泥法のフローの一例を示します。


工場排水はまずスクリーンでろ過された後、流量調整槽で流量を一定にするよ。その後、膜分離槽で膜ろ過を行い、処理水槽を通って放流するよ。膜分離槽で余剰汚泥が発生したら汚泥貯留槽に移送し、フィルタープレスで脱水して汚泥処分してるんだ。
嫌気性処理
嫌気性処理は産業排水や下水汚泥などに含まれる有機物を嫌気性細菌の作用によりメタンや二酸化炭素に還元分解するもので、メタン発酵法によって代表されます。日本では、1940年代後半より、特にし尿処理法として広く用いられ、また1950年代後半からは産業排水の処理法として実用化されています。
排水・廃棄物中の有機物は、多くの種類の通性嫌気性菌、偏性嫌気性菌の関与の下に高級脂肪酸、アミノ酸などを経て、低級脂肪酸、酢酸、水素などに分解され、さらに二酸化炭素、メタン、アンモニア、硫化水素へと分解されます。この一連の反応は、多様な嫌気性細菌によって行われます。

通性嫌気性菌は酸素があってもなくても生きられるのに対し、偏性嫌気性菌は酸素のない環境でしか生きられないんだよ!
メタン発酵法
メタン発酵法は、当初下水処理で発生する汚泥の減量処理を目的として実用化されましたが、その後、加温や撹拌方式を取り入れて、副生する燃料ガスの利用を目的に、さらに発展してきました。好気性処理(活性汚泥法)と異なり、空気を送り込むブロワーが不要で、エネルギーの消費が少なく、生成されるガスは燃料として利用できます。

メタン発酵法は汚泥の発生量が少ないんだって!
以下にメタン発酵法の処理フローの一例を示します。


当社でも生物処理を組み込んだ排水処理設備に対応しております!
まとめ
生物学的処理は、排水中の有機物を効率的に分解・除去するための重要な技術です。
好気性処理は安定した処理性能を有し、嫌気性処理は省エネルギー性やエネルギー回収の面で特長があります。対象となる排水の性状や処理目的に応じて、適切な方法を選定することが重要です。
【参考文献】
- 1)井出哲夫;水処理工学-理論と応用-,技報堂出版(1978)
- 2)産業環境管理協会;公害防止の技術と法規〔水質編〕,丸善(1997)



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