マイクロバブルとは?
マイクロバブル(以下MBと略記)とは、ファインバブルの中の2種類あるうちの一つです。MBは、直径1 µm ~100 µm の微細な気泡であり、人の毛穴( 直径約200 µm )よりも小さな気泡です。緩やかなスピードでMB自身が上昇し、あるサイズより小さな気泡は時間ともに収縮し、あるサイズより大きな気泡が時間ともに大きくなる性質があります。毛穴の汚れなどにMBが吸着し、汚れを取り去る洗浄効果が期待されており、シャワーやユニットバスなどに使用されています。そのほか、水産業や医療分野でも応用されています。
図1 バブルのサイズの比較
直径100 µm以上の気泡は、ミリバブルといい、直径1 µm 以下の気泡は、ウルトラファインバブルというんだよ。
ミリバブル以上は、液面に素早く浮上して破裂するけど、ウルトラファインバブルは、浮上しないんだよ。
プリコートろ過
プリコートろ過とは、ろ過助剤を用いてプリコート層を作り、この層をろ材としてろ過をする方法です。プリコート層の液の通り道は µm のオーダーですので、プリコートろ過をすることで、精密なろ過をすることができます。プリコート層の下にあるろ材の目詰まりがしにくいことが特長です。ろ過開始直後からの懸濁物質の漏れが非常に少ないため、高い清澄度のろ液を得ることができます。また、ろ材ごと廃棄するのではなく、捕捉した懸濁物質はろ過助剤と一緒に洗い流すことができ、ろ材の消耗が軽減されます。
図2 通常のろ過(左)とプリコートろ過(右)の比較
MBを使用したプリコートろ過
最近、当社が開発したMBを使用したプリコートろ過では、ろ過助剤とMBと混合しながら、プリコート層をつくり、その後、プリコートろ過をします。こうしてつくったプリコート層は表面がデコボコ状態になるため、通常のプリコート層と比較してろ過面積が大きくなります(図3)。また、ろ過対象物がプリコート層の奥深くでも捕捉されますので、プリコート層の厚みを有効に使うことができます。これらの理由により、ろ過圧力の上がり方が緩やかになり、1サイクルあたりのろ過時間を延ばすことが可能になります(図4)。その結果、1サイクルあたりのろ過処理量を増大させることができ、単位ろ過処理量に対するろ過助剤の使用量を大幅に減らすことができます。
図3 通常のプリコート層(左 )とMB入りプリコート層(右 )の断面
図4 マイクロバブル有無での定速ろ過データの比較
MB の使用の有無で大きな差があり、MB を使用することにより、3~4倍にろ過量が増えるんだよ!(図4参照)
ろ過助剤の表面をよく見るとデコボコしているよ。(図3参照)
この技術は、FD型精密ろ過機などで使用されるんだよ
YouTubeの三進チャンネルの「マイクロバブル実装プリコートろ過機」をみてみよう!!
【参考文献】
- 1)一般社団法人ファインバブル産業会;ファインバブルとは?~定義・特徴~
- 2)特許5912537号
- 3)特許6940848号
- 4)特許7018610号
珪藻土やセルロース、活性炭などがろ過助剤として使用されるんだよ。
ろ材の再利用が可能だと、コストの削減になるんだよ。
ところで、プリコート層に固形物がたまっていくと、液を通すための抵抗となるため、同じろ過速度でろ過する場合には、ろ過圧力を徐々にあげていく必要があるんだよ。
ろ過圧力が所定の値に達したところで、ろ材の洗浄工程に移行し、ろ材上に堆積した固形物とろ過助剤をろ材から剥離し、ろ過機から排出するんだよ。このような
プリコート ⇒ ろ過 ⇒ ろ材の洗浄
がろ過の1サイクルなんだよ。