レプレスター®・FKフィルターとは
自動脱水ろ過装置「レプレスター®」「FKフィルター」は、高濃度スラリーを加圧ろ過した後、ケークを圧縮空気で脱水し、排出まで全自動で処理可能な脱水ろ過機です。
使用例としては、塗装ライン中の化成被膜処理工程で発生する固形不純物の除去などが挙げられます。固形不純物は製品の表面に付着し、製品の品質低下を招くため、取り除く必要があります。また、固形物濃度の高い液からの固形物の回収を目的とした利用も可能です。
レプレスター®は、ろ過と脱水2つの機能を小規模・連続生産ラインで効率よく発揮します。FKフィルターは、レプレスター®よりろ過面積が大きい上位機種となっています。
図1 レプレスター®
図2 FKフィルター
表 装置仕様
レプレスター® | FKフィルター | ||
---|---|---|---|
型式 | PF1S | FK2L | FK4L |
ろ過面積 | 0.1 m2 | 0.2 m2 | 0.4 m2 |
ろ過量 | ~2 m3/h | ~3 m3/h | ~6 m3/h |
接液面材質 | SUS304 | SS400 + 硬質ゴムライニング およびSUS304 | |
ろ材 | ろ紙(ロールペーパー) |
※ろ過能力は、清水による能力です。
各機器の工程
レプレスター®の工程は、以下の通りです。(図3)
- ①上蓋がエアーシリンダーにより押し下げられ、ろ過室下部と接し、ろ過室が形成される。
- ②ろ過室上部より原液が圧送され、ろ過運転を開始する。
- ③ろ過室内部圧力が設定値以上、または、タイマーが設定値になるとろ過工程を終了する。
- ④ろ過室上部より圧縮空気が供給されケークの脱液を開始する。
- ⑤ろ過室の内部圧力が設定値以下になり、かつ、タイマーが設定値になるとケークの脱液工程を終了する。
- ⑥エアーシリンダーにより、ろ過室上部が上がる。
- ⑦ろ紙が巻き取られ、ケークが排出される。
以上の工程が繰り返し行われます。
図3 レプレスター®各工程
FKフィルターの工程は、以下の通りになります。(図4)
- ①ろ過室下部がエアーシリンダーにより押し上げられ、ろ過室上部と接し、ろ過室が形成される。
- ②ろ過室上部より原液が圧送され、ろ過運転を開始する。
- ③ろ室内圧力が設定値以上、または、タイマーが設定値になるとろ過工程が終了する。
- ④ろ過室上部より圧縮空気が供給されケークの脱液を開始する。
- ⑤ろ過室の内部圧力が設定値以下になり、かつ、タイマーが設定値になるとケークの脱液工程を終了する。
- ⑥エアーシリンダーにより、ろ過室下部が下がる。
- ⑦ろ紙が巻き取られ、ケークが排出される。
以上の工程が繰り返し行われます。
図4 FKフィルター各工程
主な使用例
レプレスター®、FKフィルターは、化成被膜処理液やクーラント液中の固形不純物を処理する用途があります。
図5に示す化成被膜処理液の固形不純物処理の場合、通常、原水槽と沈降槽を循環している回路があります。沈降槽の下部より、脱水ろ過機へ送る配管があり、沈降スラッジをケークとして排出し、沈殿物と分離された上澄み液は、原水槽へ戻します。沈降槽が無い場合は、原水槽と脱水ろ過機で循環ろ過を行います。
図5 化成被膜処理でのスラッジ処理
また、クーラント液や表面処理鋼板の表面処理液への適用では、図6のように当社のFD型ろ過機とFKフィルターを組み合わせて使用する場合があります。この場合、原液をFD型ろ過機にて精密ろ過を行い、ろ過終了後、圧縮空気により逆洗し、ドレン槽へ固形不純物を多量に含んだ液を排出します。ドレン槽に排出された液は、脱水ろ過機へ送られ、脱水ろ過し、ろ液は原水槽へ戻ります。
ドレン液をろ過することで、槽内の清掃などの作業頻度を減らし、液を無駄なく回収することができます。
レプレスター®、FKフィルターを単体のみで使用するか、FD型ろ過機とのセットを使用するかは、ラインの稼働時間、スラッジ発生量、沈降槽の有無、常時ろ過の必要性等により判断する必要があります。
図6 FD型ろ過機+FKフィルター
YouTubeの㈱三進製作所公式チャンネルに、FKフィルターの動画があるよ。気になる方はチェックしてね。
常に新しいろ紙でろ過を行うから、ろ過の能力が安定するね。