IoTとは
IoTとはInternet of Things(モノのインターネット)の略称であり、インターネットを利用して、いろいろなものをつなげることです。
排水処理設備のIoTでは何ができるの
排水処理設備にIoTを導入することで、遠隔監視、遠隔操作等ができるようになります。
遠隔監視は、様々な計器の情報を離れた場所から確認できます。
遠隔操作は、操作盤でしかできなかったことが、離れた場所から操作できます。
IoTを排水処理設備に導入すると、便利になりそうだね。
排水処理設備の遠隔操作
排水処理設備の遠隔監視ではパソコンや携帯端末を使用して、次のことができます。
- ①計器の現在値の確認
- ②異常警報のメール受信
- ③発生している異常の確認
- ④過去の異常履歴の確認
- ⑤計器の測定値をデータとして保存
今までは排水処理設備の操作盤を見に行かないと確認ができなかったことが離れた場所から確認ができます。また、ネットワークカメラを使用することで、凝集沈殿槽の凝集状態を確認できます。
遠隔監視では、いろんなことが離れた場所で確認できるんだね。
構成
図1に遠隔監視システムの構成例を示します。
図1 遠隔監視システムの構成例
IoTゲートウェイを操作盤内に設置し、pH計などの計器類とIoTゲートウェイを接続します。IoTゲートウェイを社内ネットワークまたはWi-Fiルーターに接続し、社内ネットワークにパソコンや携帯端末を接続することで、社内のどこにいても操作盤の情報を確認できます。また、ネットワークに対応した表示灯を社内ネットワークに接続することで、異常時に警報ランプを点灯させることができます。
既設の排水処理設備でも、導入が可能なんだよ。
導入事例
当社の総合排水処理設備に遠隔監視を導入しています。
図2のようにpH計などの値をパソコンなどから確認しています。
図2 遠隔監視画面 トレンドグラフ
また、図3のように現在発生している警報および過去に起こった警報も確認しています。
図3⒜ 遠隔監視画面 警告(現在)
図3⒝ 遠隔監視画面 警告(過去)
pH計などの値は、IoTゲートウェイに保存されており、CSVファイルで出力が可能です。出力したCSVファイルを用いて、図4のようなグラフの作成もできます。作成したグラフと警報履歴からどのような異常がよく起こっているかの検討のデータに活用しています。
図4⒜ CSVデータからのグラフ化 pH
図4⒝ CSVデータからのグラフ化 電気伝導率
凝集状態をウェブカメラで遠隔監視することにより、図5のような動画をパソコンなどで確認ができます。凝集沈殿槽に出向かなくてもよくなるため、作業者の安全性の向上や作業者業務の効率化に貢献しています。
図5 凝集沈殿槽の実際の映像
ネットワーク対応表示灯を事務所に設置することで、排水処理設備から離れたところでも警報が鳴っていることを知らせています。
排水処理場にいなくても計器の値や警報がわかるようになるから、管理が楽になるんだね。
おわりに
IoTゲートウェイに接続できる機器であれば、遠隔監視を行うことができます。例えば、ポンプの電力値、濁度計などをつなぐことが可能であり、排水処理設備をどのように管理するかによって、自由に組み合わせることができます。
排水処理の遠隔監視に興味のある方は、当社に連絡してね。
【参考文献】
- 松田健次;表面技術,第74巻,第8号,404-406(2023)
身近なものとしては、ベビーカメラなどの見守りカメラやスマートホームがあるよね。