用語集<ろ過>
2021.08.03
均等係数(uniformity coefficient)
砂ろ過機用ろ材(砂)などの粒径のばらつきを表す係数で、篩分け累積粒径分布曲線から求めた60%通過粒径と10%通過粒径の比。
粒径が均一(係数が1)に近づくほど良好なろ過が期待される。
空間率(void, porosity)
空隙率、間隙率、ボイドなどの呼び名がある。
容器もしくは塔などに粉体や充填物を詰めた場合に、見掛け上の全容積に対する空間の体積の割合のこと。
空隙比(void ratio)
空間率のこと。粉粒体または充填物の固体容積に対する空隙容積の比で、間隙比ともいう。
空隙率(porosity, void)
粉粒体または充填物が見掛け上に占める全容積に対する空間の体積の割合のこと。
日本工業規格標準ふるい(JIS standard sieve)
JIS-Z8801(1956年)に規定された金属製の標準ふるいのこと。
用語集<単位②>
2021.07.05
絶対温度(absolute temperature)
絶対零度(-273.16℃、-459.588℃ F)を零度と規定した温度目盛りで、次の二種類がある。
ケルビン度 K=t〔℃〕 +273.16
ランキン度 R=t〔F〕 +459.688
摂氏目盛、華氏目盛が規定された温度目盛りであるのに対して、理論的に考えられる低温の限界を採用した温度目盛。
トール(Torr)
大気圧以下の圧力を絶対圧力で示す単位で、1mmHgをTorrという。
流束(Flux)
単位断面積を単位時間に移動する熱、物質などの量のこと。
熱量の場合には熱流束といい、単位は〔kcal/㎡・h〕などで示す。物質の場合には特定の圧力・温度での移動量として〔㎥/㎡・h〕などの単位で示す。
用語集<単位①>
2021.06.02
ジス(JIS)
Japanese Industrial Standardsの略称で、産業標準化法に基づき制定される日本産業規格のこと。
パスカル(pascal)
国際単位系(SI)における圧力の単位。記号Paを用いる。
1㎡あたり1N(ニュートン)の力が利用しているときの圧力をいう。
1Pa=10‾5bar =0.9869×10‾5 atm
=1.450×10‾4 psia
=1.020×10‾4 kg ・cm‾2
工学的にはPaは通常単位が小さすぎるので103倍または106倍を表す接頭語を用いてKpa(キロパスカル)またはMPa(メガパスカル)が用いられる場合が多い。
マイクロ(micro)
国際単位系(SI)の接頭語の一つで10の大きさを示し、記号はμを用いる。
ゲージ圧(gauge pressure)
大気圧を基準とする流体の指示圧力のことで、大気圧と測定されるべき流体の圧力との差。
1気圧のゲージ圧をatgと言い、1lb / in2(psi)のゲージ圧をpsigという。ブルドン管を始めとする圧力計がこのゲージ圧を指示することが多い。
これに対して絶対真空を基準とする指示圧力を絶対圧力、ゲージ圧にその時の大気圧を加えたものを絶対圧という。
絶対圧(absolute pressure)
絶対真空を基準とする流体の圧力。ゲージ圧とその時の大気圧の和に等しい。
単位操作(unit operation)
化学プロセスにおいて、物質に組成、状態、エネルギーなどの変化を与えるための諸操作のこと。
用語集<液②>
2021.05.13
比表面積(specific surface area)
粉体または粒子の単位質量、単位体積当たりの全表面積、充填層単位体積当たりの充填物表面積のこと。
触媒を用いる反応、充填塔による気液接触操作などに関係する量であり、粉体の細かさの表示、面積の凹凸や細孔の多少を表すのにも使われる。
比表面積の測定には、流体透過法と吸着法が用いられる。前者は表面の細かい凹凸や細孔は無視した大まかな値となり、細孔などの多い物質では両方の測定値が多きく異なる。例えば、流体透過法で数千㎠/gのものが吸着法では数万㎡/gにもなることがあり、その目的によって測定法が選択される。
空塔速度(superficial liner velocity)
装置断面積当たりの平均流速。充填塔、気泡塔などを流れる気液の体積流量を塔の断面積で割った値のこと。真の速度と違い、真の速度に比例するものでもないが、一つの基準として使われる。
含水率(moisture content)
物質に含まれる水分の割合。
相対粘度(relative viscosity)
溶液の粘度を溶媒の粘度で割った値のこと。
絶対粘度(absolute viscosity)
相対粘度に対比して、普段用いられる粘度を特に絶対粘度ということがある。
十字流(cross current)
二流体の間に熱もしくは物質の移動を行わせるため、二流体を直接・間接的に接触させつつ流す場合、二流体の流れ方向が直交するような流れ方を十字流(直交流)という。他に二流体の流れ方向によって向流、並流がある。
用語集<液➀>
2021.04.06
浸透圧(osmotic pressure)
溶質を通さない半透膜で仕切り、溶液と純溶媒を別々に入れると、溶媒は純溶媒から膜を通り溶液中に移動する。この移動を阻止するために溶液側に機械的圧力を加えると圧力で溶媒の移動が止まり平衡状態になる。このとき溶媒側に加えられた圧力を浸透圧という。
機械的圧力が浸透圧より小さく、溶媒が溶液側に移動している状態を浸透状態、機械的圧力が浸透圧以上となり溶媒が溶液から逆に溶媒の方に移動している状態を逆浸透状態という。
真密度(true density)
物質(粒子)自身の密度。粒子に空孔や細隙のない場合、粒子密度は真密度と一致する。
中空粒子や多孔質粒子では粒子密度が真密度より小さくなり、粒子の体積の決め方によって値が異なる。(→嵩密度)
嵩密度(bulk density)
物質の単位体積当たりの質量を「密度」と定義するが、繊維や軽石のように物質自身の表面や内部に孔隙をもつ物質については真密度(実質だけの密度)の他に孔隙を含めた見かけ上の密度が考えられる。
一定容器内に粒状体や種々の充填物や触媒をつめた場合、個々の粒子間もしくは粒子と器壁との間に存在する空間を含めた充填密度というものも考えられる。これらに対して「見かけ密度」、「嵩密度」、「充填密度」などの用語が用いられる。
気孔率(porosity)
多孔質の固体単位体積当たりに存在する空間(気孔)の割合を表したもので、%で表すことも多い。
気体容積は液体置換、水銀圧入などにより測定する。しかし、外部と通じない孔まで測定することは、結晶であり気質の密度がX線回折により測定可能の場合以外は難しいため、一般に閉じた孔は考えない。
用語集<ろ過機の付帯部品>
2021.02.03
熱交換器(heat exchanger)
温度の異なる二つの流体を薄い壁(金属もしくはプラスチック)を隔てて接触させ、流体間に熱の移動が行われるようにした装置。熱交換器は最も一般的な構造である横形多管式をはじめ、以下がある。
1) コイル式熱交換器
2) 二重管式熱交換器
3) ファン形熱交換器
4) 平板熱交換器
5) 再生式熱交換器
1)~4)は伝熱式熱交換器、5)は再生式熱交換器と分類され、根本的に異なる物となる。
減圧弁(pressure reducing valve)
高圧蒸気を受けて低圧蒸気暖房を行う場合など、高圧蒸気を低圧蒸気にするには減圧弁を用いる。減圧弁は高圧配管と低圧配管との間に設け、低圧側の蒸気使用量の増減、高圧側圧力の変動にかかわらず、弁のリフトを自動的に制御して、蒸気流量を調整し、低圧側の圧力を常に一定に保つ働きをする。そのため圧力調節弁ともいう。
減圧弁を弁の作動方式で分類すると以下のの3種がある。
1) ベローズ式
2) ダイヤフラム式
3) ピストン式
ストレーナー(strainer)
液体中に混在する個体夾雑物を金網、孔あき板などをろ材としてろ過、除去するための装置。管内輸送中の液体に含まれる土砂、金属くず、ごみ類などをろ過するためのパイプラインフィルタとして使用され、各種ポンプの吸引側にも設けられる。
用語集<ろ過機の構成部品➂>
2021.01.06
弁(valve)
流路の開閉、流量の調節のために用いられる物で、バルブともいう。流体を通す孔とそれと相対運動する弁体で構成される。
(1)孔の面に垂直に弁体が動く「玉形弁」
(2)孔の面に平行に弁体が動く「仕切弁」
(3)孔面上の軸のまわりを弁体が回転する「バタフライバルブ」
などがある。
JISによる弁規格では一般装置用弁と船舶装置用弁の2種に大別され、それぞれ青銅、鋳鉄、鋳鋼などの弁について規定している。一般的に小型の低温低圧用には青銅、高温高圧用には鋳鋼、大型には青銅、鋳鉄、鋳鋼、各種合金鋼が使用される。種々の形式、材質の弁があるが、使用に際し、温度、圧力などの使用条件、扱う流体の性質、使用目的などを考慮して選択する。
ボールバルブ(ball valve)
弁座と球に孔の空いた弁体球面の摺動により流路を開閉するバルブの一種。機構はコックと同じ。
ガスケット(gasket)
固定用密封装置(シール)の総称。
ガスケットは締付力に塑性変形することが必要であるため
(1)相手面より軟質で流体圧力・締付力により崩壊したり接合面に接着しない
(2)流体の浸透がない細密構造
(3)耐熱性を有する
(4)流体に対する化学的安全性
(5)接合面に均一に圧力を配布し、膨張及び収縮を支える弾性
などが求められる。
差圧流量計(differential pressure type flowmeter)
配管中に絞りを取付け、流体を流すとその前後に圧力差が生じる。差圧流量計は、この差圧を測定し管内流量を知るためのものである。絞りにはオリフィス、ノズル、ベンチュリ―管が用いられる。